書道雑誌 墨179号 2006年3・4月号 芸術新聞社
・巻頭特集 書体シリーズ5
楽しくマスターする行書
☆用と美”洗練された書の姿
一つの書体にスポットをあて、味わいを探る書体シリーズ。最後を飾るのは、多くの名品が伝わる「行書」。隷書や楷書といった正式書体の陰で古くから日常的に使われ、「普段着の書」という面が強い。一方、「読める書」が叫ばれる現代では、かなと調和しやすい行書は漢字かな交じり書という舞台を得て、さらなる書美を生み出した。行書の用と美を備えたスタイルは、現代の書において重要な役割がある。さあ、古人が遺した行書名跡をたずねて、新たな書の可能性を探ってみよう。
●鑑賞1
精拓碑法帖選 行書六種
「蘭亭序」「集王聖教序」「晋祠銘」
「行書千字文」「積時帖」「文皇哀冊」 解説/伊藤 滋
●ガイダンス
中国の行書 文/須田義樹
日本の行書 文/杉浦妙子
●論考
行書のはじまりと展開 文/大橋修一
●コラム
唐代の行書墓誌について 文/横倉佳男
●レッスン
(1)基礎編 行書の基本用筆 講師/吉澤鐵之
(2)日常編 王羲之系の古典に基づいた
(2)実用書を書こう! 講師/赤井清美
●エッセイ
文化人と行書のいま 文/臼田捷治
●クローズアップ
澄懐堂美術館「中国書画名品展」
●鑑賞2
行書表現の粋
赤羽雲庭/木村知石/津金寉仙/辻本史邑/松本芳翠
●インタビュー
行書の魅力 杭迫柏樹
●ステップアップ講座
行書に草書を交じえて書く 講師/有岡崖
行書にかなを交じえて書く 講師/福光幽石
●連載
・新「現代の書」の検証(14) 桑原翠邦 文/田宮文平
・書道にまつわる法律の疑問Q&A 回答/神谷信行
・まんが日本書道ものがたり(2) 藤原行成
監修・文/村上翠亭 画/岡田 潤
●中国レポート
上海図書館蔵「善本碑帖展」観記 文/伊藤 滋
●コラム
常識と非常識の間で(31) 文/堀 久夫
ギャラリー「伊藤仁齋筆 蘭亭記」
文字のいずまい(13) 文/臼田捷治
●クローズアップ
日本近代書法の原点としての潘存 文/杉村邦彦
三村秀竹「臨書の世界」
●インフォメーション
淑徳大学公開講座
書の名蹟への招待 眼で見る・文字の変遷
●書論の広場
単元名「字画像・・・」
高等学校の書道教育における授業実践 文/清水亮
●読者参加企画 作品募集
「蘭亭序」臨書募集 講師/吉澤鐵之